かまぼこ歴史
かまぼこの歴史はとても古く、平安時代にはすでに存在していました。最初のかまぼこは、白身の魚をすり身にして竹の棒に巻き付けて焼いたもので、その形が蒲(がま)の穂や鉾(ほこ)に似ていたことから、蒲鉾と呼ばれるようになりました。その後、板の上に成形して蒸した板蒲鉾や、細工を施した細工蒲鉾などが作られるようになりました。
かまぼこは高級な食材として扱われ、贈答品や祝い事の料理に用いられました。豊臣秀頼や織田信長の好物だったとも言われています。江戸時代には、各地で地元の魚を使った独自のかまぼこが作られるようになりました。例えば、仙台ではひらめを原料にした笹かまぼこが生まれました。笹かまぼこは手の平でたたいて笹の葉の形に焼いたもので、その名前は仙台藩主伊達家の家紋「竹に雀」の笹に由来します。
現在では、全国各地でさまざまな種類のかまぼこが作られています。日本農林規格では、かまぼこ類を蒸しかまぼこ類、焼抜きかまぼこ類、ゆでかまぼこ類、揚げかまぼこ類に分類しています。
かまぼこ好き戦国武将
かまぼこと戦国武将の関係は、一般には 伊達政宗と 伊達巻 によって知られています。
伊達巻は、魚のすり身に卵や砂糖などを混ぜて蒸し上げたもので、紅白の模様が入っています。
伊達政宗
伊達政宗は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将で、奥州の 伊達氏 の当主でした。天正18年(1590年)の 小田原征伐で 豊臣秀吉に従い、出羽国・陸奥国の大半を領有しました。では東軍に属しながらも西軍と内通しました。そのため、戦後に所領を減らされましたが、その後も東北地方の覇者として君臨しました。
織田信長
かまぼこと戦国武将の関係は、他にもあります。例えば、織田信長 は、かまぼこを好んで食べていたと言われています。
信長は、尾張国(現在の愛知県)出身の武将で、桶狭間の戦いで今川義元を討ち取り、天下人を目指しました。信長は茶人でもあり、堺の茶人 千利休を茶堂として召し抱えました。信長は天正10年(1582年)に甲州征伐で武田氏を滅ぼしましたが、同年6月に家臣の明智光秀に謀反されて本能寺で自害しました。
千利休
千利休は、かまぼこを作るのが得意で、織田信長や 豊臣秀吉に献上したことがあります。千利休は、戦国時代から安土桃山時代にかけての商人で茶人で、わび茶の完成者として知られています。茶聖とも称せられる千利休は、信長や秀吉の茶堂として仕えましたが、最後は秀吉に粛清されました。
真田幸村
また、 真田幸村(真田信繁)は、かまぼこを食べるのが好きで、大坂城に籠城した際にもかまぼこを食べていたと言われています。真田幸村は、真田昌幸の次男で、豊臣方の武将として活躍しました。大坂夏の陣では徳川家康の本陣まで攻め込んだ勇敢な戦いぶりで、「日本一の兵」と評されました。
細工かまぼこ
江戸時代に作られた細工かまぼこは、すり身に色や形をつけて、花や動物などの模様を入れたものです。細工かまぼこは、料理の華として、宴席やおせち料理、幕の内弁当などに使われました。細工かまぼこの種類には、以下のようなものがあります。
玉川:鯛や平目のすり身と卵の黄身、黒胡麻で三色に仕立てたもの
春霞:萌黄色と白の二色のもの
墨流:相良布という海草を包み込んだマーブル模様のもの
櫛形:櫛のような形に切り込んだもの
菊花:菊の花を模したもの
桜花:桜の花を模したもの
かまぼこ種類
かまぼこは、魚のすり身を練り上げて成形し、加熱した製品のことです。加熱の仕方によって、蒸しかまぼこ、焼かまぼこ、ちくわ、風味かまぼこ、ゆでかまぼこ、揚げかまぼこなどの種類があります。地域によっても、原料や形状、味付けなどに違いがあります。いくつかの代表的な種類を紹介します。
蒸しかまぼこ
板に調味すり身を盛りつけたあと、蒸し上げたもの。紅白の色合いが特徴で、お正月などによく食べられます。小田原かまぼこや焼板かまぼこなどがあります。
焼かまぼこ
すり身を竹や笹の葉に巻き付けてあぶり焼くもの。表面はきつね色で香ばしく、中は柔らかい。笹かまぼこやなんば焼などがあります。
ちくわ
すり身を竹に巻き付けてあぶり焼くもの。中は空洞になっている。そのまま食べたり、チーズやウインナーを詰めたりすることもできます。
風味かまぼこ
カニやエビなどの風味をつけたすり身を成形して加熱したもの。カニ風味かまぼこやホタテ風味かまぼこなどがあります。
ゆでかまぼこ
すり身を団子状にして湯でゆでたもの。筋やはんぺんやつみれなどがあります。
揚げかまぼこ
すり身を油で揚げたもの。ゴボウ天やじゃこ天やさつま揚げなどがあります。
外国でも人気かにかまぼこ
日本以外でもかまぼこは作られています。特にカニかまぼこは、欧米やアジアで人気が高まっています。
カニかまぼこは、魚のすり身にカニの風味や色をつけたもので、海外ではSURIMI(スリミ)と呼ばれています。カニかまぼこは、本物のカニに比べて安価で、健康食としても注目されています。また、日本食や寿司のブームにも乗って、様々な料理に使われています。
例えば、フランスでは、カニかまぼこを野菜サラダのトッピングにしたり、パスタ料理の具材にしたり、フランスパンに挟んだりして食べられています。イギリスやオーストラリアでは、カニかまぼこにパン粉をつけて揚げたものがポテトフライと一緒に売られているそうです。
カニかまぼこ製法
日本のカニかまぼこと海外のカニかまぼこの違いは、主に原料と製法にあります。
日本のかまぼこは、魚のすり身に塩や砂糖などの調味料を加えて練り、型に入れて蒸したものです。一方、海外のカニかまぼこは、スケトウダラなどの白身魚をすり身にして冷凍し、解凍して再凍結することで繊維状にしたものです。また、カニの風味や色をつけるために、カニエキスや香料、着色料などを加えています。
日本のかまぼこは、主に魚の種類や製法によって味や食感が異なりますが、海外のカニかまぼこは、カニのような味や食感を再現することが目的です。そのため、日本では「風味かまぼこ」という品質表示基準で表示しなければなりません。
かまぼこ美味しい食べ方
かまぼこは、そのまま食べるのも美味しいですが、焼いたり揚げたりして食べたり、他の料理の具材として使ったりすることもできます。いくつかの食べ方を紹介します。
板わさ:かまぼこを1cm程度の厚さに切り、醤油とおろしわさびを添えて食べる定番の食べ方です。かまぼこの凝縮された魚のうま味や甘みがわさびの辛さとよく合います。
オイバター焼き:かまぼこをソテーして、オイスターソースとバターで仕上げる食べ方です。オイスターソースとバターのコクがかまぼこによく絡みます。
フライ:かまぼこに小麦粉、卵、パン粉をつけて揚げる食べ方です³。外はカリカリ、中はジューシーになります。
和え物:かまぼこを薄くスライスして、三つ葉や梅干し、わさびなどと和える食べ方です。爽やかな味わいで箸休めにもなります。
うどんやお吸い物の具:かまぼこを薄く切って、うどんやお吸い物に入れる食べ方です。シンプルながらも温かくて優しい味わいです。
焼きそばや炒飯の具:かまぼこを細かく刻んで、焼きそばや炒飯に入れる食べ方です。ウインナーやベーコンの代わりに使えます。
鈴廣かまぼこ
鈴廣かまぼこは小田原に本社を置くかまぼこメーカーです。
鈴廣のかまぼこは「天然素材を使い、化学調味料・保存料は無添加」というこだわりがあります。
鈴廣の商品には、板かまぼこ、伊達巻、焼きかまぼこ、揚げかまぼこ、鈴廣の地ビール、干物・漬魚などがあります。鈴廣のオンラインショップでは、これらの商品を通販で購入できます。
おすすめ商品
謹上蒲鉾:鈴廣の定番で、扇形の山の高い形をした白と赤の板かまぼこです。魚の味と弾力が楽しめます。
百年ちくわ:農林水産大臣賞も受賞した、昔ながらの製法で作られたちくわです。皮がしゃきしゃきとして香ばしいです。
切れてる板わさセット:12ミリに切れている板かまぼこに、わさびとオリーブオイルが付いています。手軽に食べられます。
ぷちかま:一口サイズの焼きかまぼこで、チーズ味と明太子マヨネーズ味があります。個包装になっていて食べやすいです。
伊達巻:魚と卵のシンプルな組み合わせで作られた伊達巻です。しっとりとした食感と上品な甘さが特徴です。
金目鯛のあげたい:金目鯛のすり身とほぐし身を合わせて揚げたものです。ボリュームがあり、柔らかくジューシーです。
焼きぼこ:竹串に刺した焼きかまぼこです。冷やしてもあぶってもおいしいです。
大漁万歳:お魚のパッケージに入ったカラフルなかまぼこです。ゆず風味、金目鯛、しょうが風味、ぴりからの四種類があります。
しそかをり巻:青じそで巻いて揚げたかまぼこです。青じその香りと白身魚が抜群に合います。
海山のおーどぶる詰合せ:オードブル用に作られたかまぼこ詰め合わせです。サーモン&アボカド、ナッツ&チェダー、いちじく&チーズ、かにたま、あなご・ごぼう、えび枝豆の六種類が入っています。
また、小田原 箱根 の観光名所「かまぼこの里」では、かまぼこの製造工程を見学したり、手作り体験教室に参加したりすることができます