ある日、神社の境内に住む招き猫たちは、大きな騒ぎを聞いた。神社の宮司が倒れてしまったというのだ。宮司は招き猫たちにとっては恩人であり、親切に世話をしてくれる人だった。招き猫たちは心配して、宮司の家に駆けつけた。
宮司の家に着くと、宮司の妻が涙ながらに話した。「夫は心臓発作で倒れました。病院に運ばれましたが、手術が必要だと言われました。でも、手術費用が高すぎて払えません。どうしたらいいのでしょうか」招き猫たちは宮司の妻を慰めながら、何とか助ける方法はないかと考えた。
すると、一匹の招き猫が言った。「私は小判を持っています。これを売れば、手術費用になるかもしれません」小判を持っている招き猫は、金運を招くとされる右手を上げている招き猫だった。小判は宮司からもらったもので、大切にしていたが、宮司の命がかかっているのだから惜しむことはないと思った。
他の招き猫たちもそれぞれ持ち物を出した。「私は大入袋を持っています。これも売りましょう」「私は打出の小槌を持っています。これでお金を増やせます」「私は鯛を持っています。これも高く売れます」そうして、招き猫たちは持ち物を集めて、宮司の妻に渡した。
宮司の妻は感動して、「ありがとうございます。こんなに沢山のお金を頂いてしまっていいんですか」と言った。招き猫たちは「宮司さんが助かりますように」と祈りながら、「どうぞ使ってください」と言った。宮司の妻はお礼を言って、急いで病院に向かった。
その後、宮司は無事に手術を受けて回復した。宮司は妻から招き猫たちのことを聞いて、涙を流した。「こんなに恩返しをしてくれるなんて、本当にありがたいことです。私もこれからはもっと招き猫たちに感謝して世話をします」と言った。
そして、神社に戻った宮司は、招き猫たちに深く礼をした。「皆さん、本当にありがとうございました。あなた方のおかげで命が助かりました。これからは皆さんに恩返しします」と言った。招き猫たちは「宮司さんが元気で何よりです」と喜んだ。
宮司は招き猫たちに新しい持ち物をプレゼントした。「これは私の感謝の気持ちです。どうぞ受け取ってください」と言った。招き猫たちは新しい持ち物をもらって、嬉しそうにした。「ありがとうございます。これでまた幸せを招きます」と言った。
宮司と招き猫たちは、それからも仲良く暮らした。神社には多くの人々が訪れて、招き猫たちの魅力に引かれた。招き猫たちは人々の願いを受け止めて、幸せを授けてくれた。神聖な空間で、招き猫たちは心の平安と幸福を授けてくれる存在となっていた。